松江開府400年祭の紹介をさせて頂きます。
島根県松江市は守り継がれた風光明媚な自然と豊かな文化を育んできた先人たちの努力と実績により世界に誇れる国際文化観光都市として発展してこられた街です。
1607年(慶長12年)、堀尾吉晴公により「城下町松江」のまちづくりが始まり、5年の歳月をかけ、1611年(慶長16年)に松江城(国内12ある現存天守のひとつ、重要文化財)が完成し、現在の城下町松江の礎が築かれました。
この“まちづくり"にかけた先人たちの情熱に倣い、2007年(平成19年)から2011年(平成23年)までを「松江開府400年祭」とし、様々なイベント、事業が行われております。
ここでは毎年豪華さを増していく「松江武者行列」に焦点をあて紹介したいと思います。
松江開府400年祭 1年目 - 2007年(平成19年) - 現
松江開府400年祭1年目という記念すべき年を迎えるにあたり、まずは堀尾吉晴公を主役に置いた行列の見直しから始まりました。それぞれの隊列ごとの人数の追加、隊列ごとに役に合う振り付けや、楽器を演奏する人を加えることで動きをつけ、隊列を大きく見せるようにしました。
また、隊列に騎馬、牛車を入れることにより豪華さを加え、タレントの行列参加等により観光客の方が興味を持っていただく事が出来たと思います。
「市民の方々が参加するお祭り」という点では、当日のお祭りの参加者を募るほかに事前にワークショップを開き、手作りで衣裳を作る作業を行いました。
型紙からの裁断やミシン掛けなど、作り方説明書を片手に熱心に作業に取り組んでいらっしゃる姿はとても真剣でお祭りに対する思いが伝わってきました。
ワークショップの他に、お祭り当日の着付けを手伝ってくださる方々の着付け講習会も開催され、初めて手にする衣裳や小道具を物珍しそうに、でも楽しそうに着付けの練習をされていた姿が印象的でした。
松江開府400年祭 2年目〜4年目 - 2008年(平成20年)〜2010年(平成22年) -
記念すべき松江開府400年祭1年目を大成功で収め、華々しく始まった「松江開府400年祭」。
2年目、3年目4年目と年を重ねる毎にお祭りの内容も拡大していきました。1年目に開催された行列の晴れやかさを聞きつけた一般の方からの参加希望も増え、隊列の種類も人数も増えていきました。
「昨年よりもいいものを」という参加者の方々の意気込みからか毎年天候にも恵まれる開催日となりました。
ワークショップで作成する手作りの装束は小袖、打掛、鎧下装束など難度が上がっていく一方、参加者の方々も慣れてきて作成にかかる日数が短くなり、1着目が完成したら2着目、3着目と次々に装束を作成されている姿はとても頼もしかったです。
装束の他に手作り甲冑のワークショップも好評で、子供用の甲冑やお面など、あたらしい取り組みもされていました。皆さんが作られた装束の展示会や衣裳をつかっての松江城での結婚式など、市民の方々がいろいろアイデアを出して松江市を盛り上げようと取り組んでいらっしゃいました。
松江開府400年祭 5年目 - 2011年(平成23年) -
10月29日、松江開府400年祭のメインイベント「松江武者行列」が松江城下町で市民スタッフ合計300名の参加で行われました。
今回のテーマは「勇気・気品・希望」。
堀尾吉治公をはじめ、後に松江藩主を務めた京極忠高、松平直政ら一行が松江城に入城する様子を描いたこの時代絵巻は、勇壮な甲冑姿の武者や槍隊、弓隊、そして華やかな衣裳を身にまとった奥方や姫、侍女などの行列が松江城を目指し、約250メートルにもなる列が松江のまちを多くの見物客に見守られながら約1時間30分掛けて1.5キロを練り歩かれました。
3月の東日本大震災を受け延期となっていた松江武者行列でしたが、県内外からの要望を受け、半年遅れて開催となりました。
8回目となる今回は、震災犠牲者の追悼や被災地復興などを目的に参加者全員が被災地への祈りを込めたお守りを身に着け、一日も早い東北地方の復興と被災地への鎮魂と励まし、世界平和を願って歩かれました。派手な演出は控えられましたが、開催を待ち望んだ市民や訪れた観光客らは、鎧を着た武者や、きらびやかな衣裳をまとった姫や侍女たちの行列に見入っておられ、楽しんでいただけたかと思います。
入城後、一行は松江城二の丸下の段のステージに集合。堀尾公を中心に「世界が万年平和であるように、地震が鎮まるように」という意味の「万年阿良礼(よろずよあられ)」と全員で唱え、参加者全員とスタッフ、松江城に集まった見物客ら全員で震災犠牲者を追悼されました。
当初、雨模様の予定だった29日でしたが、行列中は天候にも恵まれ煌びやかな衣裳が一層栄えるいい天気となりました。松江の皆さんの祈りが天候も動かしたといっても過言ではない1日となりました。
皆様の地域で行われる様々なお祭りやイベントをご計画の際は、ぜひ井筒企画にお声がけください。
井筒企画では、このような経験と実績を基に、皆様の思い出作りや、また地域の活性化へのお手伝いをさせていただければと思っております。